医療ハイフは、たるみや二重あごなどを切らずに引き締めたい人に人気の美容施術です。
肌の奥深くまで超音波でアプローチすることで、リフトアップや小顔効果が期待できます。
一方で、効果の感じ方には個人差があり、副作用や痛みなどのリスクがある点も正しく理解しておく必要があります。
医療ハイフの仕組み・効果・リスク・クリニック選びのポイントまで詳しく解説します。後悔しない選択をするための基礎知識を押さえておきましょう。
医療ハイフの効果とは?期待できる変化と解消できる悩み
医療ハイフは切らないリフトアップとも呼ばれる美容医療のひとつです。
皮膚の奥深くに働きかける仕組みから、たるみ・フェイスライン・小じわなどの悩みに対して外科手術に頼らず改善を目指せる点が特徴です。
ただし、使用する機種や肌状態によって効果の現れ方は異なるため、仕組みや向き不向きを理解したうえで施術を受けることが大切です。
医療ハイフとは何か?身体に作用する仕組みと期待できる変化
医療ハイフは、高密度焦点式超音波(HIFU)を用いて、たるみの原因に内側からアプローチする美容施術です。
- 超音波を一点に集中させて照射
- SMAS層(筋膜)や脂肪層に熱エネルギーが届く
- 熱刺激で筋膜が引き締まり、コラーゲン生成が活性化
- 肌の深部から再構築が進み、数週間〜1カ月ほどでリフトアップ効果が出る
- たるみ・二重あご・ほうれい線・小じわなど複数の悩みに同時アプローチ
- 皮膚を切らずに内部から引き締める非侵襲的な施術
- ダウンタイムが短く、施術後すぐに日常生活に戻れる
- 自然な変化で周囲に気づかれにくい仕上がり
メスを使わずにSMAS層へアプローチできる医療ハイフは、肌への負担を最小限に抑えながら、自然なリフトアップを目指せる施術です。
医療ハイフとエステハイフの違い

医療ハイフは、より高出力・深層への照射が可能なため、即効性・持続性に優れた本格的なリフトアップが期待できます。
一方、エステハイフは出力が弱く、浅い層までしか届かないため、軽度な引き締めやリラクゼーションにとどまります。
医療ハイフ | エステハイフ | |
---|---|---|
施術者 | 医師または医療従事者 | 民間資格の施術者 |
照射の深さ | 最大4.5mm(SMAS層・脂肪層) | 2〜3mm(皮膚の浅い層) |
効果の実感 | 即効性・持続性が高い | 変化が小さく一時的 |
副作用への対応 | 医師が対応可能 | 対応が困難 |
本格的にたるみを改善したい場合は、医療ハイフのほうが適しています。
安全性や効果の確実性を重視する人は、医師の管理下で行える医療ハイフを選ぶと安心です。
医療ハイフで使用される主な機種の種類と特徴

医療ハイフに使われる機種は、照射の深さ・出力・カートリッジの種類によって特徴が異なり、それぞれに適した部位や悩みがあります。
機種名 | 主な特徴 | 適した施術部位 |
---|---|---|
ウルセラ |
・アメリカFDA承認の高出力機器 ・SMAS層(筋膜)まで届く精密照射 ・強力なリフトアップ効果を期待できるが、痛みを感じやすい |
・頬のたるみ ・フェイスライン ・あご下や首周りの引き締め |
ウルトラフォーマーⅢ |
・複数の深さに対応したマルチレイヤー照射 ・短時間施術・痛みの軽減を実現 ・全顔への均等照射に向いている |
・顔全体 ・口周りや額など細かい部位 ・たるみケア初心者にもおすすめ |
ソノクイーン |
・低刺激・低出力でダウンタイムが少ない ・細かい部分へもピンポイントで照射 ・痛みに弱い人やデリケート肌にも向く |
・目元(目尻・目の下) ・額や口元の小じわ ・フェイスラインの軽い引き締め |
高出力で深層に届く機種はリフトアップ効果に優れ、繊細な照射ができる機種は目元や口元に向いています。
医療ハイフは目的や悩みに応じて適切な機種を選ぶことで、理想のリフトアップが叶います。
医療ハイフの効果があう人とあわない人
医療ハイフはすべての人に同じ効果が出るわけではなく、肌の状態や年齢によって向き不向きがあります。
ハイフの熱エネルギーがしっかり届き、コラーゲンの再生が活性化する状態であれば、効果を実感しやすい傾向があります。
- 30〜50代で軽度〜中等度のたるみがある人
- 肌の弾力やハリを維持・改善したい人
- 代謝やコラーゲン生成が比較的活発な人
- 生活習慣が整っており、肌の回復力がある人
- 皮膚のたるみが強く、余剰皮膚が多い人
- 高齢でSMAS層が薄くなっている人
- コラーゲンの生成力が低下している人
- 1回で劇的な変化を求める人
医療ハイフは自分の肌状態や希望に合っているかを見極めることが、納得のいく結果につながるカギです。
施術前には、医師との丁寧なカウンセリングで適応を判断してもらうことが重要です。
太ももやお腹など広範囲をサイズダウンしてくれる施術や、フェイスラインや二の腕などの脂肪を減らす施術など、医療ダイエットにはさまざまな種類があります。
医療ハイフ以外の施術については以下の記事で詳しく解説しているので、悩みにあわせて気になる施術をチェックしてみてください。
自分にあった施術がわからないという方向けに、医療ダイエットの施術や薬の種類を一覧で比較しているこちらの記事がおすすめです。
医療ハイフの効果はいつ出る?効果の持続期間と施術頻度の目安
医療ハイフは施術の種類や出力、使用機器、個々の肌状態によって効果の実感時期や持続期間が異なります。
施術直後から時間の経過による変化、平均的な持続期間、施術頻度の考え方、そして効果を高めるためのポイントまで、時系列で詳しく整理します。
施術直後に感じられる変化と時間が経ってから感じられる変化

医療ハイフは、即効性と遅効性の両方がある施術であり、施術後すぐに感じられる変化と、数週間かけて現れる本格的な効果があります。
施術直後は、「むくみの解消」や「筋膜の収縮」による一時的な引き締まりを感じやすく、すぐに効果を実感しやすいのが特徴です。
一方、肌の深部でのコラーゲン生成や組織の再構築は時間をかけて進行するため、見た目の大きな変化は数週間〜1〜2カ月後にあらわれます。
タイミング | 期待できる変化 |
---|---|
施術直後 |
・むくみの軽減 ・フェイスラインの一時的な引き締まり ・筋膜収縮によるハリ感の向上 |
2〜4週間後 |
・コラーゲンの生成が進行 ・肌の弾力アップ、リフトアップの実感が始まる |
1〜2カ月後 |
・フェイスラインのたるみ改善 ・頬の位置や輪郭の引き上がり ・ハリのある若々しい印象に変化 |
医療ハイフには即効性に期待しすぎず、徐々に変化する過程を見守る姿勢が大切です。
「直後に少し引き締まった気がする」という実感はモチベーションになりますが、本格的な効果は時間をかけて現れることを理解しておきましょう。
医療ハイフの効果が続く期間と推奨の施術頻度
医療ハイフの効果は、施術後も一定期間持続するのが特長です。
ただし、どのくらいの期間効果が続くか、どの頻度で受ければよいかは使用機種や肌の状態によって異なります。
使用機種 | 持続期間の目安 | 施術頻度の目安 |
---|---|---|
ウルセラ | 6カ月〜1年 | 半年〜年1回 |
ソノクイーン | 3〜4カ月 | 3〜4カ月ごと |
ウルトラフォーマーⅢ | 3〜4カ月 | 3〜4カ月ごと |
ウルセラのような高出力機器は、1回の施術でも半年〜1年ほど効果が持続するといわれています。
一方、ソノクイーンやウルトラフォーマーⅢはダウンタイムが少ない反面、効果の持続期間は3〜4カ月程度のため、定期的なメンテナンスが必要です。
また、脂肪の厚みや年齢による弾力の低下が強い場合は、複数回の施術や短いスパンでの照射が求められるケースもあります。
無理なく効果を保つためには、半年〜1年に1回を基本に、肌の変化に合わせて施術間隔を調整するのがおすすめです。
医療ハイフの効果が出やすい人と出にくい人の違い
- 30〜50代で肌の弾力がまだ残っている人
- 睡眠・栄養など生活習慣が整っている人
- むくみが少なく脂肪層が薄めの人
- 代謝やコラーゲン生成が活発な人
- 肌が乾燥していて回復力が弱い人
- 紫外線や加齢によるダメージが強い人
- 脂肪が厚い、または筋膜のたるみが強い人
- 劇的な変化をすぐに求めてしまう人
医療ハイフは、「肌の土台を引き締める施術」だからこそ、もとの肌状態や生活習慣によって効果の感じ方に個人差が出ます。
期待値を高めすぎず、現実的な変化の範囲をあらかじめ医師と確認しておくことが、満足度の高い結果につながります。
医療ハイフの効果を最大限に引き出すために
医療ハイフは、施術後の過ごし方によって効果の出方や持続期間が大きく左右されます。特に、肌の回復を助けるケアや、コラーゲンの生成を促す生活習慣が重要です。
- 保湿と紫外線対策 → 照射後の肌は敏感になっているため、肌トラブルを防ぐと同時に、肌の修復を促進
- 良質な睡眠・バランスのよい食事 → ターンオーバーを整え、コラーゲンの生成を活性化
- 咀嚼や表情筋の軽いトレーニング → リフトアップ効果の維持とフェイスラインの引き締めに効果的
- 入浴や適度な運動 → 血行を促進し、肌の代謝をサポート
医療ハイフは1回の施術でも一定の引き締めが期待できますが、その後の自己管理を丁寧に行うことで、より長く・自然な変化を楽しめる施術になります。
医療ハイフのリスクやダウンタイムなど施術前に知っておきたいデメリット
医療ハイフはメスを使わずにリフトアップを目指せる非侵襲的な施術ですが、「効果がある=リスクがゼロ」というわけではありません。
特に施術後に腫れや赤みが出たり、照射ミスによる後遺症が残る可能性があることを知らずに受けてしまうと、後悔につながるリスクもあります。
よくある副作用や重篤なリスク、失敗しやすいパターン、施術を避けたほうがよい人の条件まで、施術前に必ず確認しておきたい注意点をまとめました。
医療ハイフの施術中や直後に起こりやすい副作用
- ヒリつき・赤み
- 軽い腫れ・筋肉痛のような違和感
- 内出血・硬結(しこり感)
- チクチクとした痛み
医療ハイフは肌の深層に高エネルギーを照射するため、施術中や施術直後に軽度の副作用が現れることがあります。
代表的な症状としては、照射部位のヒリつき・赤み・軽い腫れ・筋肉痛のような違和感などがあります。
多くの場合は数時間〜数日で自然におさまり、ダウンタイムも最小限で済むケースがほとんどです。
ただし、出力の強さや肌質によっては、内出血や硬結が一時的に生じることもあります。
また、機種によってはチクチクした痛みを伴うことがあるため、施術中に我慢せず、違和感を感じたらすぐに施術者へ伝えることが大切です。
医療ハイフには軽度の副反応があることを理解し、事前にスケジュールやメイク可否を考慮しておくと安心です。
たるみ悪化や神経障害などの重いリスク
- 神経障害(しびれ・感覚麻痺)
- 熱傷・火傷
- たるみの悪化
- 過照射による皮膚の硬化
まれに発生する医療ハイフの重篤なリスクとしては、神経損傷や熱傷、逆にたるみが悪化してしまうケースなどが挙げられます。
特に、顔の神経に近い部位や骨が浅い場所(頬骨周辺やフェイスライン)では、誤って深く照射されるとしびれや感覚鈍麻が残る可能性があります。
また、技術的に未熟な施術者による過照射や部位ミスが原因で、皮膚が硬くなったり、逆に肌がゆるんだように見えることもあります。
医療ハイフによる事故は頻度としては非常に低いものの、ゼロではないため、経験豊富な医師が機器を扱うクリニックであるかを事前に確認することが重要です。
料金や立地だけで判断せず、安全性や技術力を重視する視点を持つことで、重篤なリスクは大きく減らせます。
医療ハイフで後悔や失敗につながるよくあるケース
医療ハイフは適切に行えば効果が期待できる施術ですが、誤った選択や理解不足によって「後悔した」と感じるケースもあります。
よくある失敗 | 主な要因 |
---|---|
思ったほど変化がなかった | ・照射出力や機種が合っていない ・軽度のたるみにのみ有効なことを理解していない |
顔がこけたように見える | ・脂肪が少ない部位に強く照射 ・ボリュームが落ちて老けた印象に |
即効性がなく不満に感じた | ・コラーゲン再生に時間がかかることを理解していない ・過度な即時変化を期待していた |
医療ハイフの効果や仕組みを正しく理解し、自分に合うかを見極めたうえで受けることが、後悔を防ぐ大切なポイントです。
カウンセリングでは、施術後の変化やダウンタイムの有無などを丁寧に確認しましょう。
医療ハイフを避けるべき人・受けられない人の条件
- 妊娠中・授乳中の人
- 心臓疾患・糖尿病・自己免疫疾患の治療中の人
- 顔に金属やシリコンが入っている人
- 皮膚疾患や炎症のある部位に照射希望の人
- 極度に痩せて皮膚に張りがない人
- SMAS層が薄い高齢者
医療ハイフは比較的安全性の高い施術ですが、すべての人が受けられるわけではありません。
避けるべき人の代表例としては、妊娠中または授乳中の人、治療中の持病がある人(心臓疾患・糖尿病・自己免疫疾患など)、皮膚疾患や炎症がある部位への施術を希望している人などです。
また、金属やシリコンが顔に入っている場合、機器によっては誤作動や熱伝導の影響を受けることがあります。
さらに、極端に痩せて皮膚に張りがない人や、SMAS層が薄い高齢の人も、効果が薄くリスクが高まるため慎重な判断が必要です。
事前に問診で該当のリスクがあるかを医師に申告し、適応の可否をしっかりと確認してから受けることが安全な施術につながります。
医療ハイフの費用とクリニックの選び方
医療ハイフの料金は施術範囲・使用機種・ショット数などによって幅があります。
安さだけで選ぶと効果が出にくいケースもあるため、内容やサポート体制も含めて比較することが大切です。
費用に差が出る5つのチェックポイント
- 使用するHIFU機器の種類
- ショット数と出力レベル
- 施術対象となる部位の広さ
- 診察・麻酔・アフターケアの有無
- プラン全体の内容や持続効果
使用するHIFU機器によって効果の持続性や出力が異なるため、価格にも大きな差があります。
また、顔全体プランなど同じ部位が対象のプランでも、照射範囲やショット数の違いで費用感は変わります。
料金表の金額だけでなく、施術設計やサポート内容も確認するのが、満足度を高めるポイントです。
施術部位/プラン | 料金目安 | 備考 |
---|---|---|
顔全体(スタンダード) | 50,000〜100,000円 | 機種や出力により変動 |
ウルセラ(高出力) | 150,000円以上 | 高リフトアップ効果 |
頬・フェイスライン | 20,000〜40,000円 | パーツ施術の一例 |
ライトプラン | 30,000〜50,000円 | ショット数少なめ |
プレミアムプラン | 100,000円以上 | 部位数・出力多め |
悩みに合った部位と回数で効果的にアプローチ
- フェイスラインのたるみ:下顎〜耳下腺にかけての高出力照射
- 目元の小じわ:浅い層への低出力・細かい照射
- 広範囲のリフトアップ:顔全体への中〜高出力照射
悩みの部位によって医療ハイフの推奨回数や必要な出力・照射深度は異なります。
1回の施術で十分な効果が得られる人もいれば、加齢や肌質によっては2〜3回の継続照射が必要になることもあります。
期待する効果や照射部位の状態にあわせて適切な機器選定・出力の設定が求められるので、クリニック選びの際は料金以外にもカウンセリングの内容や口コミなどから信頼できるクリニックかどうかを判断する必要があります。
医療ハイフを受けるときの信頼できるクリニックの見極め方
- 初回カウンセリングで肌・脂肪・筋肉の状態を丁寧に確認
- 施術内容を悩みに応じて個別に設計
- 機器の特徴やリスク・持続性について具体的に説明してくれる
医療ハイフは画一的なメニューではなく、患者一人ひとりに合わせた設計が必要な施術です。
施術プランの柔軟性や医師の説明のわかりやすさも含めて、安心して任せられるかを見極めましょう。
医療ハイフを効果的に使うには?自分に合った施術プランを見極めよう
医療ハイフは、たるみ改善やフェイスラインの引き締めに効果が期待できる施術です。
ただし、
・全身をしっかり引き締めたい
・リバウンドを防ぎながら脂肪を減らしたい
というようなケースでは、医療ハイフだけでなく他の医療ダイエットとの併用がより効果的な場合もあります。
GLP-1などで内側から食欲をコントロールしつつ、顔まわりやボディラインは医療ハイフで整えるといったアプローチも可能です。
ライフスタイルや体質に合わせて施術を組み合わせることが、納得できる変化につながります。
施術方法や予算、希望する結果をふまえて、オーダーメイドのプランを提案してくれるクリニックを選ぶことが、成功への近道です。
ひとりひとりの目標体重・体型や予算にあわせてオーダーメイドのダイエットプランを組んでくれるクリニックをこちらの記事で紹介しています。
- 医政局医事課長通知「医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について(厚生労働省)
- エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故』報告書のフォローアップ資料(消費者庁)
- エステサロン等でのHIFU機器による施術でトラブル発生!—熱傷や神経損傷を生じた事例も—(国民生活センター)
- エステサロン等での脱毛・HIFU(ハイフ)による事故『消費者事故調』(国民生活センター)
- Focused Ultrasound Stimulator System for Aesthetic Use – Class II Special Controls Guidance for Industry and FDA Staff(米国食品医薬品局)